マリオ誕生以前、タクシー会社を経営していた。 [大企業の黒歴史① 任天堂編]

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2017年6月に日清が発表した「黒歴史トリオ」が話題となったのは記憶に新しいですね。
時代を先取りしすぎて売れなかった商品3点を期間限定で発売するとして、ネットではかなりの注目を浴びていました。

ちなみに「黒歴史トリオ」全部美味しかったので見つけたら是非。

日本の食品業界を牽引する大企業である日清でさえも「発売したものの思ったように売れず、存在をなかったことにしたい “黒歴史” の商品があります。(公式)」と発表するなんて、これは他の大企業にも黒歴史があるに違いない…ということで色々調べてみたところやはり「失敗は成功の母」、一流大企業の黒歴史が数多く見つかりましたのでご紹介します。

(なお、私たちが勝手に黒歴史だとしているだけで、当人達はそんなこと微塵も思ってない可能性はあります)

任天堂株式会社

最近では「Nintendo Switch」の爆発的なヒット、長く続く品薄状態が話題の任天堂株式会社。
1889年創業の老舗企業で、もともとは花札やトランプを製造する玩具メーカーであったことは有名な話ですね。ちなみに任天堂は今でも国内最大手のトランプ/花札メーカーです。

事業多角化の失敗、タクシー会社や食品会社など

1950年代、任天堂はディズニートランプなどの販売等で大成功を収めていました。
しかし3代目社長である山内溥が1958年にアメリカに渡航し、世界シェアNo.1のトランプメーカーだったUSプレイングカード社の視察に訪れた際、小さな社屋や手作業での製造風景を目の当たりにした山内は市場の小ささを実感し、事業多角化への道を歩み始めます。

黒歴史は、そんな成功への道を進み始めたばかりの頃に潜んでいました。

1964年の東京オリンピックに向けての需要増加を見越して、1960年にタクシー会社「ダイヤ交通」を創業。1950年代末の日清「チキンラーメン」によるインスタント食品ブームの到来に備えて1961年に食品会社「三近食品」を創業。

どちらもやり手の経営者である山内氏ならではの先見性のある投資でしたが、両者ともに競合の増加やノウハウ/技術の不足によって数年での撤退を余儀なくされました。
ちなみに三近食品の切り札として、多額の研究費用を投下した末に発売された「インスタントライス」は山内社長本人が認める不味さだったらしいです。売れるわけない。

他にも1940年代に「ママベリカ」という名前のベビーカーを発売するなど、任天堂は多角化への道を模索した歴史が長く続きましたが、事業単体として現在まで続くような成功は収められなかったようです。

VRデバイスの先駆け? 「バーチャルボーイ」

今では世界に誇る超一流のゲームメーカーとなった任天堂ですが、実はその領域でも迷作(名作?)を残しています。

1995年に発売された「バーチャルボーイ」はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を搭載した初のゲーム機で、赤色単色ではありながらも当時は超画期的であった視差を利用した立体映像でゲームができるとして話題になりました。

しかし、HMDやVRといえば今となっては最先端のデバイスですが、当時は一般の人々に面白さを理解してもらうことがまだ難しく、事業としては失敗に終わってしまいました。

バーチャルボーイにおいては時代を先取りしすぎて失敗してしまった任天堂ですが現在のVR市場にはまだ未参入となっていますので、(当時のノウハウを活かせるのかどうかは別として)これからの参入が楽しみですね。

任天堂史上最も売れなかった周辺機器 「64DD」

最近の中学生なんかはそもそも「NINTENDO64」を知らないという噂で非常に老いを感じるところではありますが、その周辺機器であった「64DD」はなんと約1万台と任天堂としては最悪のセールスとなった製品です。

64DD – Wikipedia(下半分が64DDです)

今では当たり前となったDLC(ダウンロードコンテンツ)前提のゲームですが、当時はゲーム機とインターネットの接続自体が超珍しいものでした(実はファミコン時代からあったのですが)。
そんな時代にインターネットに接続してネットサーフィンができたり、ユーザー間でのコミュニケーションができたり、ゲームの追加コンテンツをダウンロードできたりと当時最先端の機能を多数盛り込んだ製品として発売された「64DD」でしたが、結果は先述の通り約1万台のセールス。事業としては大失敗に終わってしまいました。

ちなみに64DD専用ソフトの中にはファンが多い名作も多く、「巨人のドシン」はニンテンドーゲームキューブにてリメイクされ、「マリオアーティスト ペイントスタジオ」と「キャプチャーカセット」のアイディアは、ニンテンドーDSiに活かされていたりするようです。

任天堂の「黒歴史」、いかがでしたでしょうか。

結局今の成功に繋がっているものも多く、全然黒歴史なんかじゃないですしなんなら失敗を成功に変えてきた素晴らしい企業だっていう話なんですが、記事としてはその方がキャッチーなので黒歴史ってことにしておきますね。

次の記事では、世界が誇るあのリンゴマークの企業の「黒歴史」を紹介します。お楽しみに。

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